「ももクロ論」清家竜介、桐原永叔著

公開日: 更新日:

■AKB48「総選挙」には日本的権威主義があらわ

 ちかごろのアイドル論といえば、××学者が専門知識を駆使しながら妙に熱っぽい口調で深読み・裏読みを連発している。本書もそのひとつで、著者のひとりは早稲田大助教の社会学者(もうひとりはライター・編集者)。

 AKB48は「総選挙」と称する人気投票でメンバーの順位が決まったり、クビになったりする。イベントは「公開処刑」のようなものだとすらいわれたが、著者はこれを日本社会に顕著な「権威主義的パーソナリティー」の証明例ではないかという。

 過酷な現実を肯定しつつ、自己破壊の危険性を秘めたシステムや、各メンバーを「推す」オタク集団が全体として「和」を重んじながら他メンバーに対する敵意を共存させているさまは日本的な権威主義の仕組みをあらわにしていると見る。

 他方のももクロはAKBの持つ生真面目さを超越し、とてつもない楽しさをテコに祝祭が日常を逆転させる力を生み出そうとしている。それはシステムによって抑圧されたものを回復しようとする大衆芸能の力だという。ドラマ「あまちゃん」のユイちゃんはAKB的だが、アキちゃんはももクロ的だというわけだ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    紳助暴行事件 衝撃の一部始終(2)

  2. 2

    紳助暴行事件 衝撃の一部始終(1)

  3. 3

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  4. 4

    2026年は米価が値頃になるのか? 昨年末には最高値更新も業界には先安感漂う

  5. 5

    「日吉湯」は大満足のスーパー銭湯風銭湯 15台分の駐車場も完備

  1. 6

    紳助暴行事件 衝撃の一部始終(3)

  2. 7

    NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」への“期待と不安”…第1話を見た時代劇研究家が語る

  3. 8

    “脇役中の脇役”仲野太賀に秀吉を補佐する弟・秀長はまさにハマリ役 NHK大河「豊臣兄弟!」スタート

  4. 9

    青学大・原晋監督も警戒! 早大総長の「2億円の置き土産」は来年開花するか

  5. 10

    矢沢永吉と郷ひろみ…NHK紅白で浮き彫りになった“待遇格差”の現実 視聴率35%回復も問題山積