『子は親を救うために「心の病」になる』高橋和巳著

公開日: 更新日:

 長年にわたって心を病む子どもを診察してきた精神科医の著者は、問題を抱える子どもの親は、親自身が心に問題を抱えているケースが多く、子どもの病によって親こそが救われると説いている。

 両親の仲が悪く母親が苦労している家庭の場合、子どもは常に母親の心配をし、我慢ばかりの生き方を引き継ぐ。そして、思春期に入ると子どもは新しい世界へ進みたい気持ちと、母親のために我慢すべきだという気持ちがぶつかり合い、自分を責め、親を恨み、心を病んで引きこもりや拒食症に陥る。

 しかしこの危機こそが、親が自分の人生と心の矛盾を解決する時だと本書。さまざまな親子のケースを挙げながら、親が子に救われ、子どもが立ち直るプロセスを明らかにしていく。
(筑摩書房 780円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束