「居酒屋の戦後史」橋本健二著

公開日: 更新日:

 どんな酒を、どんなときに、どんな場所で飲んでいたのか。そんな酒文化の歩みから戦後社会の変遷を読み解いたテキスト。

 戦時中、物資不足で飲食店の開店休業状態が続く中、庶民たちは焼け野原で営業する「国民酒場」に列をつくったという。国民酒場とは戦中から戦後にかけてできた公的指導の下で営業した酒場だそうだ。その他、現在の居酒屋の源流の一つともいえる戦後の闇市の飲み屋街の風景から、ビールを一般階層にまで普及させたという戦時・戦後の統制下で製造された配給ビールの存在、そしてハイボールから水割りへと移り変わったウイスキーの飲み方の流行など。高度成長、総中流社会を経て、格差社会へと向かう日本を酒と居酒屋という視点から俯瞰する。

(祥伝社 820円+税)




【連載】新書あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗