「ほめると子どもはダメになる」榎本博明著

公開日: 更新日:

 近年、家庭や教育現場に蔓延する「ほめて育てる」という思想の問題点を考察した教育論。

 学校や職場に「傷つきやすい」「頑張れない」「意志が弱い」若者が増加。こうした現実に「ほめて育てる」や「叱らない子育て」がもてはやされるようになってから、子供の育ち方、その結果として若者の心の在り方に変化が生じていると指摘。なぜ親たちは叱ることを躊躇するのか。子育てが社会の役に立つ人間を育てるという社会的意義を忘れ、親の自己愛を満たすための手段に陥っていないかと問う。

 データや実験結果などを紹介しながら、「自己肯定感が高まる」などと言われる「ほめる」教育の常識の誤りを解説した、子育て中の親必読の書。(新潮社 720円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明