「カレル・チャペック 小さな国の大きな作家」飯島周著

公開日: 更新日:

 チェコの国民的作家カレル・チャペック(1890~1938年)の生涯とその作品世界を紹介する文学読本。

 さまざまなジャンルの作品を多数残した氏だが、その基本はジャーナリストだった。1917年に「国民新聞」編集部に就職してから、以後、生涯を一記者として過ごした。多様な趣味を持った氏は「興味の源泉として、人間ほど汲めども尽きせぬものはない」とその作品の根底には人間への深いまなざしがあった。人間に対する興味は、人間性への尊重と擁護にまで発展し、1930年代にはヨーロッパを覆うファシズムや全体主義に抵抗して、過酷な状況へと追い込まれてしまう。波乱の生涯を追いながら、その素顔の魅力を伝える。(平凡社 820円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因