「隠し事」羽田圭介著

公開日: 更新日:

 医療器具メーカーの営業マンの鈴木は、大学時代の後輩・茉莉と同棲中。ある夜、茉莉の入浴中に鈴木がメールを着信した彼女のケータイに何げなく目を向けると、サブディスプレーに渡辺健太の名前が表示され、すぐに消えた。

 渡辺は鈴木の大学時代の友人で、茉莉と同じネット広告業界で働いている。茉莉は学生時代に渡辺と面識はなかったが、3年ほど前に同業者の会合で会ったとは聞いていた。問いただす機会を逸し、2人の関係に疑いが募る鈴木は、茉莉の就寝中、つい彼女のケータイを開けてしまう。しかし、渡辺からのメールは削除されており、鈴木は余計に不安になる。

 疑いが疑いを呼び、止まらなくなる家庭内ストーキング小説。(河出書房新社 550円+税)




【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る