「怖いクラシック」中川右介著

公開日: 更新日:

 クラシック音楽の王道は「怖い音楽」だと説く著者による音楽エッセー。

 1787年、プラハで作曲者モーツァルト自身の指揮でオペラ「ドン・ジョバンニ」が初演された。観客は、不気味な和音が響き渡る序曲に度肝を抜かれたはずだという。この時代、音楽は宴会や舞踏会、セレモニーでの背景音楽あるいは効果音的なもので、誰も「怖い音楽」や「哀しい音楽」を求めていなかったからだ。

 観客は、モーツァルトの曲によって劇中で地獄に落ちる主人公が感じた恐怖に同化。オペラの革命であり、「怖い音楽」の誕生だった。死や神、孤独、狂気、戦争などをテーマにした大音楽家たちの作品を解説しながら、西洋音楽200年の歴史を振り返る。(NHK出版 820円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が

  2. 2

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です

  3. 3

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  4. 4

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  5. 5

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  1. 6

    大食いはオワコン?テレ東番組トレンド入りも批判ズラリ 不満は「もったいない」だけじゃない

  2. 7

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  3. 8

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!