元神童・絶倫男が説くセックステクニック

公開日: 更新日:

「偏差値78のAV男優が考えるセックス幸福論」森林原人著(講談社 600円+税)

 ラ・サール、栄光、麻布、筑波大付属駒場という超難関校すべて合格、東大進学率70%の筑波大付属駒場中学に進学、地元では神童と呼ばれた少年がいた。

 彼は今、森林原人という名前でAV男優の頂点に立つ。

〈二十歳から始めて三十七歳の今に至るまで、八千人と一万回以上セックスしてきました。多い時で日に十八人。〉

 そんな元神童・絶倫男が実体験で得たさまざまなテクニック、教訓、哲学を書き下ろした。

 筑波大駒場という最高峰に進学するも、周りには天才がごろごろいて、自信喪失になる。日銀黒田総裁をはじめ、科学者、教授、官僚といったエリートを輩出してきた学校である。思春期に性欲が肥大し、日夜悶々として勉強が手につかなくなり、成績は急降下。浪人してやっと私立中堅大に進学、社交ダンスサークルに入部するが、誰にも相手になってもらえず、鏡の前でひとりレッスンするばかりだった。

 女にモテたい、やりたい一心でAV現場に参加していくうちに、男優が本業となる。

 女性教師をレイプするシーンでは熱が入り過ぎて未発に終わってしまう。休憩中に相手役の女優から女の心理を聞かされる。学習能力がずばぬけている神童は即座に応用する。

〈口では「言われた通りにしろ! 痛い目に遭いたくなかったらおとなしく股開け!」なんて感じのことをきつく言いながら、手を優しく握っていたり、「使い物になんなくしてやる」って言いながら激しくピストンして攻めておいて、耳元で「痛くない?」と確認したり。〉

 豊富な性体験を積みながら、森林は意外なことを説く。

〈セックスをしても、結局相手の何もわからないというのが僕の結論です。〉

 だからこそ、人間は何度でも性を探訪したくなるのだ。裸の哲学者・森林原人の説く性の弁証法は深淵である。

【連載】裏街・色街「アウトロー読本」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」