「花舞う里」古内一絵著

公開日: 更新日:

 中学2年生の杉本潤は、母と2人で奥三河にある母の実家に戻ってきた。転入した中学は生徒が10人の小さな学校だ。下校の際に潤は過呼吸の発作を起こすが、通りかかった少女が潤を胸に抱え込み、「鬼様が護ってくれるから、大丈夫」と不思議なことをつぶやいた。やがて潤は、旧暦11月に行われる花祭りで榊鬼が祈祷を行うことを知る。

 そして、ビデオで祭りに奉納される少年の舞を見たとき、鬼様とはこのことだったのかと、潤はぞくりとするものを感じるが、神楽の舞に参加することを断る。それはあるトラウマのためだった。

 心に深い傷を負った少年が伝統神楽に関わることで立ち直っていく物語。(講談社 1500円+税)

【連載】今日の新刊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ