「戦地の図書館」モリー・グプティル・マニング著、松尾恭子訳

公開日: 更新日:

 第2次世界大戦中、米国が展開した史上最大の図書作戦の全貌を描くノンフィクション。

 ナチスは1933年から「非ドイツ的」書籍を消滅させるため、政府公認の焚書を実行。欧州の国々で1億冊以上の書籍が燃やされたという。一方の米国は、兵士の士気を保つために必要だと、陸海軍が前線に本を供給した。

 全国の図書館員は「本は武器である」と寄付で集まった本を兵士に送る戦勝図書運動を展開。出版業界は戦地でも読みやすいペーパーバックの「兵隊文庫」を出版した。前線の兵士たちは、本を読み、遠く離れた故郷を思い、地獄のような現実をひと時忘れたという。兵士たちの手紙などを紹介しながら、忘れられた歴史を伝える。(東京創元社 2500円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」