「長生きしても報われない社会」山岡淳一郎著

公開日: 更新日:

 医療や介護への不安や不信から、長生きすることへの恐れが社会全体を覆っている。それを象徴するように、介護や看病疲れによる殺人や無理心中は、未遂を含め年平均1000件以上に上る。

 本書は、人間らしい医療や介護が行われている現場を紹介しながら、現場を基点に、地域、自治体、国へと同心円状に課題を抽出したリポート。

 在宅医療の先駆者である神奈川の杉山孝博医師に同行し、家族が抱える苦労や、独居障害者が訪問診療や介護だけで生活をしている例を紹介しながら、在宅医療の光と影を見つめる。

 その他、みとりや認知症ケア、厚労省推奨の「地域包括ケア」などの最前線を取材。よりよい介護や医療を実現するための方途を示す。(筑摩書房 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  3. 3

    佳子さま31歳の誕生日直前に飛び出した“婚約報道” 結婚を巡る「葛藤」の中身

  4. 4

    国分太一「人権救済申し立て」“却下”でテレビ復帰は絶望的に…「松岡のちゃんねる」に一縷の望みも険しすぎる今後

  5. 5

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  1. 6

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  2. 7

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  3. 8

    清原和博 夜の「ご乱行」3連発(00年~05年)…キャンプ中の夜遊び、女遊び、無断外泊は恒例行事だった

  4. 9

    「嵐」紅白出演ナシ&“解散ライブに暗雲”でもビクともしない「余裕のメンバー」はこの人だ!

  5. 10

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢