「映画と歩む、新世紀の中国」多田麻美著

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 厳しい検閲制度のもとでも中国映画人たちは独自の視点の映画を作り続けている。例えば賈樟柯監督の「世界」は海外を実感の伴わない〈仮想ワールド〉として描いている。北京の世界公園では世界の有名な建築のミニチュアが並んでいて、簡単に世界一周ができるが、そこで働く人々は飛行機に乗ったことさえない。中国人の海外との接点は出稼ぎのために密航したり、デザインをパクるために海外のファッション誌を見るくらいだ。海外旅行がかなり自由になった現在でも、インターネット空間の制限など、〈境界〉は存在する。

 15年間中国に暮らす著者が映画を通して中国の今を語るエッセー。(晶文社 2100円+税)


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