「『快傑ハリマオ』を追いかけて」二宮善宏氏

公開日: 更新日:

 頭にはターバン、黒いサングラスで目元を隠し、シンプルだがエキゾチックなパンタロン姿で、銃やムチを操る等身大のヒーロー。昭和35年4月から放映が始まった「快傑ハリマオ」である。

 高度経済成長期に一世を風靡した子供向けのテレビ映画(ビデオではなくフィルムで撮影した作品)は、団塊の世代を瞬く間に童心に帰らせる。

「少し前までは、団塊の世代が集まって飲み会やカラオケへ行くと、なぜか決まってハリマオの話題が出たものです。第一興商のカラオケには二十数万曲が登録されているそうですが、リクエストランキングでは上位6000番に三橋美智也が歌う主題歌『快傑ハリマオ』が入るそうですよ」

 当時の子供たちをとりこにし、なおも語り継がれるハリマオ。その魅力の源はいったい何なのか。

「変身したり、超人的な力を発揮するヒーローではなかったからでしょう。海軍中尉が身分を隠してハリマオに扮し、敵と生身で戦う姿に子供たちはリアリティーを感じました。また、カンボジアのアンコールワット遺跡など、当時は珍しい海外ロケも果敢に行っていましたから。映像は本格的で、費用もさることながら、製作陣の心意気が伝わる大作でしたからね」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」