「『快傑ハリマオ』を追いかけて」二宮善宏氏

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 そして、最大の魅力は主演俳優の勝木敏之と語る人も多い。勝木は芸能界からこつぜんと姿を消し、消息不明となったのだ。

「『月光仮面』の主役・大瀬康一は子供に大人気でしたが、勝木は圧倒的に女性ファンが多かった。勝木の行方をたどる過程で出会った女性たちは、今でも勝木との思い出の品を宝物としています。勝木の半生を追い、監督や共演者、関係者に取材するうちに気づいたのですが、当時のテレビはブラウン管を通して、人柄や人格も映し出していたと思うんです。勝木の人柄は視聴者にも伝わっていた。だからこそ心に残り、延々と語り継がれてきたのでしょうね」

 残念ながら、今も勝木は行方知れず。存命ならば今年84歳になるという。

「時折夢に見ます。この本を機に、勝木がひょいと現れて『本当はこうだった』と語ってくれる夢を。とはいえ、時計の針は嘘をつきません。快傑ハリマオを知らない人も増えてきています。でも僕らの世代の心を魅了したひとりの男がいたことを書き残しておくことは、テレビ映画史という観点からも価値があると思っています」(河出書房新社 2000円+税)

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