アメリカ社会の底流 トランプ政権で表に出てきた“腐った部分”

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「黒い司法」ブライアン・スティーヴンソン著、宮﨑真紀訳

 著者はアメリカで名高い人権派弁護士。厳しい差別に耐える黒人たちの置かれた無法な状況に抵抗し、「司法の公正構想」という人権団体の事務局長としても長年活動してきた。本書はそんな著者の回想記。といっても単なる思い出話ではなく、読み応えある一級のノンフィクションになっている。

 人種差別の根深いアメリカ南部で生まれ育ち、ハーバード大学の法科大学院を出た若者が、いかにして法の正義を追究する法律家に成長していったのか。白人の人妻と不倫しただけで殺人の濡れ衣まで着せられた黒人の弁護に当たったのがそのスタート。その後もつづくもろもろの事件が、醜悪な差別の実態をあからさまにする。(亜紀書房 2600円+税)

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