「成功する人は偶然を味方にする」ロバート・H・フランク著 月沢李歌子訳
成功した人は自分の才能と努力で成功したと考えがちで、運の重要性を過小評価しがちだが、そうではない。パフォーマンスの競争のシミュレーションでは、能力と努力の合計点が勝者より高い者が何人かいた。
原因としては、大規模な競争では能力が最高水準に近い参加者が多いため、幸運に恵まれた者が勝つ可能性がある。成功するためにはチャンスをつかむことが必要で、〈他人の評価〉次第で成功するかどうかが決まる。自分の能力で成功したと考える人より、幸運に恵まれたと考える人のほうが好意的に受け止められるのだ。
「ニューヨーク・タイムズ」で経済コラムを執筆する著者が、勝者の共通点を解説。(日本経済新聞出版社 1600円+税)