「女系の教科書」藤田宜永著

公開日: 更新日:

 私の名は森川崇徳。ムネノリだが、ソートクと呼ぶ者もいる。今は独身の次女、三女夫婦と2人の孫娘と同居中。近所には姉や妹も住んでいて、つまり私は女に囲まれて暮らしているのだ。

 そんなある日、私は海坊主のような男が家をのぞいているのに気付き、あとを追いかけるが見失う。警察に届けようと娘たちが騒ぐ中、数日後、なんと海坊主が突然家にやって来て私に文庫本を投げつけると、「女房に近づくな!」。

 出版社を定年後、私はカルチャーセンターで文学講座の講師をしており、海坊主は生徒青井照子の旦那だったのだ。この件で立腹した照子が家を出たと聞き、気になった私は海坊主を訪ねるが……。

「女系の総督」シリーズの第2弾。女系家族の黒一点である主人公ソートクが、娘や姉たちに翻弄される姿をコミカルに描いた家族小説。(講談社 1650円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因