「発達障害」岩波明氏

公開日: 更新日:

 発達障害は生まれつきだが、成人してから発症するという誤解も多い。子供の頃から発症しているが、成績優秀でおとなしいとあまり問題視されないまま成長し、社会に出て行くためだ。

「私の患者は20、30代が多いですが、その年代になって初めて発症したわけではありません。学生時代は“変わっている”と思われていただけだったのが、就職や結婚をしてから、周囲と不適応を起こし、自ら、または周りに勧められて初めて受診する。それで、就職や結婚をする20、30代の患者が目立つんです」

 整理や片づけができない、約束を守れないなどは誰にでもある事柄だけに、自分や周囲が「発達障害のためにできない」と理解していないと、「怠けている」「バカにしている」と誤解され、家庭や職場でうまくいかなくなる。本人は自信を失い、転職を繰り返したり引きこもり、うつ病になったり、離婚したりして孤立していく。

「ASDやADHDには学歴やクリエーティビティーが高い患者が多いんです。作家のアンデルセンやルイス・キャロルはASDだったのではないかといわれています。だから、ネガティブに捉えず、彼らの能力を生かす対応法を知り、社会の一員として受け入れないともったいない」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  3. 3

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  4. 4

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  5. 5

    自死した元兵庫県議の妻がN党・立花孝志党首を「名誉毀損」の疑いで刑事告訴…今後予想される厳しい捜査の行方

  1. 6

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  2. 7

    突然のがん宣告にも動揺なし「で、ステージはナンボでしょうか?」

  3. 8

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  4. 9

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩

  5. 10

    平和記念式典での石破首相スピーチの評判がすこぶるいいが…原稿を下書きしたのはAIだった?