「チャップリン暗殺指令」土橋章宏著

公開日: 更新日:

 陸軍士官学校生の津島新吉は、貧しさ故に母を病気で死なせてしまったことを深く悔いていた。折しも昭和維新を標榜する海軍将校らは、私腹を肥やし政争に明け暮れる政財界を討つべくクーデターを計画。

 それに共鳴した新吉も彼らに加わるが、新吉が命じられたのは喜劇王チャプリンの暗殺だった。チャプリンは、映画「街の灯」のキャンペーンのため1932年5月14日に来日し、翌日、犬養毅首相との会見を予定していた。

 チャプリンを知るために彼の映画を見に銀座へ出かけた新吉は、チャプリンに弟子入りをするという俳優、柳浩介と知り合い、彼の手づるでチャプリンに近づくことに成功。

 しかし実際のチャプリンは、「西洋文化の退廃の象徴」と聞かされていたのとは大違いで、貧しく弱い者に優しい好人物だった。己の使命と板挟みとなる新吉だが……。

 史実をもとに、チャプリンの来日秘話を、エンターテインメントに仕立てた、「超高速!参勤交代」の著者の最新作。(文藝春秋 1400円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    かつて石原プロ解散を踏み止まらせた舘ひろしの男気発言

  2. 2

    ショーケンに渡哲也が激怒した“東映京都撮影所騒動”の顛末

  3. 3

    広島V逸なら緒方政権今季限り 次期監督候補に金本氏急浮上

  4. 4

    自民・萩生田氏「消費増税延期」発言に隠された姑息な狙い

  5. 5

    満身創痍も…渡哲也が貫く“男が惚れる晩節”と裕次郎イズム

  6. 6

    開幕5カード全負け越し“投壊”広島が再建託す2人の秘密兵器

  7. 7

    改革バカにケンカを売る山本太郎「れいわ新撰組」の本気度

  8. 8

    巨人は垂涎…竜新助っ人ロメロで証明された森SDの“慧眼”

  9. 9

    女優と歌手で本格復帰も…柴咲コウを縛る“三足目のワラジ”

  10. 10

    病床の堀江しのぶを守るため“天敵”梨元勝にメディア対応依頼

もっと見る