「日本国最後の帰還兵 深谷義治とその家族」深谷敏雄著

公開日: 更新日:

 終戦後も中国に潜伏し任務を続けた日本人スパイとその家族の足跡をつづったノンフィクション。

 著者の父・義治氏は、昭和12年、22歳で応召され、中国で諜報謀略工作に従事。任務のため中国人になりすまし、中国人女性と結婚する。終戦後も上官の命令で任務を続行していたが、昭和33年にスパイ容疑で中国当局に逮捕され、収監され続けた。その間、氏の生死は極秘にされ、一家は罪人の家族として苦難を強いられる。

 拷問に遭いながらも祖国の名誉を守るために黙秘を貫いた氏は、昭和53年、鄧小平副首相(当時)の訪日の手土産として釈放され帰国を果たしたという。歴史に翻弄された一家の70年を描いた戦争秘史。(集英社 800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  2. 2

    永野芽郁「鋼のメンタル」も文春砲第2弾でついに崩壊か?田中圭との“口裏合わせ”疑惑も浮上…CMスポンサーどう動く

  3. 3

    水谷豊に“忖度”?NHK『BE:FIRST』特集放送に批判…民放も事務所も三山凌輝を“処分”できない事情

  4. 4

    佐々木朗希「中5日登板志願」のウラにマイナー降格への怯え…ごまかし投球はまだまだ続く

  5. 5

    竹野内豊はついに「令和版 独身大物俳優」となった NHK朝ドラ『あんぱん』でも好演

  1. 6

    中居正広氏“反撃準備”報道のモヤモヤ…改革着々のフジテレビ尻目に「電撃復帰」への布石か

  2. 7

    永野芽郁の「清純派枠」を狙うのは"二股不倫報道”の田中圭と同じ事務所の有望株という皮肉

  3. 8

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  4. 9

    役者・林与一さん83歳の今も現役「糖尿病家系で甘いモノ好き。血糖値が問題ないのは運動のおかげ」

  5. 10

    囁かれる岸田前首相“再登板”に現実味? 一強時代到来で「安倍超え」に虎視眈々