「古本で見る昭和の生活 ご家庭にあった本」岡崎武志著

公開日: 更新日:

 古書店で衝動買いした雑本から「昭和」という時代を浮かび上がらせる古本エッセー。

 例えば昭和3年に刊行された「サラリマン物語」(前田一著)。月給袋の中身や家賃のやりくりなど、昭和初年のサラリーマン生活を解説したこの本によって、和製英語の「サラリーマン」という言葉が普及していったという。その他、フランス人作家がダイエットに悪戦苦闘する自身の姿を描いた世にも珍しい(当時は)男性のユーモア・ダイエット小説「肥満漢(デブ)の嘆き」(昭和6年刊)や、建築写真文庫「美容院と理髪店」(昭和45年刊)で見つけた一枚の写真からひもとく日本初の美容院「巴里院」の歴史まで。

 古本に導かれ、当時の風俗や社会背景を解き明かす読書タイムトラベル。(筑摩書房 840円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較