「地検のS」伊兼源太郎著

公開日: 更新日:

「置き土産」「暗闘法廷」「血」など5作からなる連作短編。主人公は通称「S」と呼ばれる伊勢雅行。40代半ばにして真っ白な髪の毛からして白い主↓シロヌシ↓Sと記者連中から呼ばれ、総務課長のS、スパイのSとも掛けてそう呼ばれているのだ。

 舞台は政令指定都市・湊川市の地検。新聞記者の沢村は無罪判決を他社に抜かれ、左遷の危機に陥っていた。そのとき彼は伊勢がある小さな事件の法廷を扉の小窓からのぞき込んでいるのを見かける。

 勘を働かせた沢村は旧知の元刑事を通じて、事件に迫る。法律は道具、それを使って、窮地の人間を助けてはいけないのか、という元刑事の言葉が重い。

 (講談社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハム新庄監督がドラフト会議出席に気乗りしないワケ…ソフトB小久保監督は欠席表明

  2. 2

    佐々木麟太郎をドラフト指名する日本プロ球団の勝算…メジャーの評価は“激辛”、セDH制採用も後押し

  3. 3

    遠山景織子の結婚で思い出される“息子の父”山本淳一の存在 アイドルに未練タラタラも、哀しすぎる現在地

  4. 4

    小嶋陽菜はブランド17億円売却後に“暴漢トラブル”も…アパレル売れまくりの経営手腕と気になる結婚観

  5. 5

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  1. 6

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  2. 7

    今秋ドラフトは不作!1位指名の事前公表がわずか3球団どまりのウラ側

  3. 8

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 9

    「仮面の忍者 赤影」で青影役 金子吉延さんは週5日の病院通いで「ダイジョーブ?」

  5. 10

    また日本中がブラック企業だらけになる…高市首相が案の定「労働時間規制」緩和指示の醜悪