「博徒の幕末維新」高橋敏著

公開日: 更新日:

 博徒や侠客の足跡からたどる異色幕末維新史。

 嘉永6(1853)年6月8日深夜、甲州竹居村の安五郎ら流人7人が流刑地・新島から島抜け。これまで多くの流人が島抜けを試みたが、ほとんどは捕らえられ、再び世間にその名をとどろかせたのは安五郎ただ一人だという。彼の島抜けが成功したのには訳があった。新島を所轄する韮山代官が、数日前に下田沖に突如現れた黒船への対応に追われていたためだ。

 博徒の安五郎を故郷のヒーローに押し上げた当時の甲州の時代背景を解説。さらに安五郎の遺志を継いだ黒駒勝蔵や下総天保水滸伝の張本人・勢力富五郎、武州石原村無宿幸次郎など、アウトローたちの人生を文献史学の手法で明らかにしながら歴史に位置づける。

(筑摩書房 1000円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市首相が招いた「対中損失」に終わり見えず…インバウンド消費1.8兆円減だけでは済まされない

  2. 2

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    長女Cocomi"突然の結婚宣言"で…木村拓哉と工藤静香の夫婦関係がギクシャクし始めた

  5. 5

    「NHKから国民を守る党」崩壊秒読み…立花孝志党首は服役の公算大、斉藤副党首の唐突離党がダメ押し

  1. 6

    国民民主党でくすぶる「パワハラ問題」めぐり玉木雄一郎代表がブチ切れ! 定例会見での一部始終

  2. 7

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  3. 8

    男子バレー小川智大と熱愛報道のCocomi ハイキューファンから《オタクの最高峰》と羨望の眼差し

  4. 9

    長女Cocomiに熱愛発覚…父キムタクがさらに抱える2つの「ちょ、待てよ」リスク

  5. 10

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ