「浪花の歌う巨人パギやんの『在日』無頼控」趙博著

公開日: 更新日:

 歌手、俳優、物書きのパギやんは、岡林信康や吉田拓郎らに影響を受けたが、シンガー・ソングライターを意識していたわけではなかった。それより、大阪の「在日」の青年にとっては、韓国の民主化運動と連帯することが大事だった。そういう活動の中で韓国の民衆文化運動に触れ、出合ったのが、パンソリと仮面劇だった。

 階級的には蔑まれていたが、詩人・金芝河はここにこそ韓国人としての文化的アイデンティティーがあると直感した。それに呼応して、学生運動をやっていた学生や左翼の役者、金明坤らがパンソリの映画などを製作した。民主化運動を担っていた人たちが伝統文化と民衆文化の担い手になっていったのだ。

 奮闘する「在日」が社会に切り込む一冊。

(七つ森書館 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「左膝の半月板が割れ…」横綱・豊昇龍にまさかのアクシデントで稽古中止

  2. 2

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  3. 3

    「ラブホ密会」問題も何のその!小川晶前市長の超“人たらし”戦略 12日投開票の前橋市長選情勢

  4. 4

    アストロズ今井達也の西武への譲渡金ついに判明! NPB広報室から驚きの回答が

  5. 5

    菊池風磨のカウコン演出に不満噴出 SNS解禁でSTARTO社の課題はタレントのメンタルケアに

  1. 6

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 7

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 8

    ロッテ前監督・吉井理人氏が大谷翔平を語る「アレを直せば、もっと良く、170kmくらい投げられる」

  4. 9

    松山千春がNHK紅白を「エコひいき」とバッサリ!歌手の“持ち時間”に求めた「平等」の正当性を考える

  5. 10

    オリックスへのトレードは中日が年俸の半分を肩代わりしてくれて実現した