「浪花の歌う巨人パギやんの『在日』無頼控」趙博著

公開日: 更新日:

 歌手、俳優、物書きのパギやんは、岡林信康や吉田拓郎らに影響を受けたが、シンガー・ソングライターを意識していたわけではなかった。それより、大阪の「在日」の青年にとっては、韓国の民主化運動と連帯することが大事だった。そういう活動の中で韓国の民衆文化運動に触れ、出合ったのが、パンソリと仮面劇だった。

 階級的には蔑まれていたが、詩人・金芝河はここにこそ韓国人としての文化的アイデンティティーがあると直感した。それに呼応して、学生運動をやっていた学生や左翼の役者、金明坤らがパンソリの映画などを製作した。民主化運動を担っていた人たちが伝統文化と民衆文化の担い手になっていったのだ。

 奮闘する「在日」が社会に切り込む一冊。

(七つ森書館 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    スマスロ『からくりサーカス2』にユーザーから厳しい評価 射幸性高い人気シリーズが直面する「2作目のジンクス」

  2. 2

    安青錦3度目Vはアッパレだが、私の大の里への評価は甘かった。両横綱よ「13勝の壁」を破ってみせよ

  3. 3

    東証で新たな動き…1月~7月までに上場廃止を選択する企業が過去最多のナゼ

  4. 4

    矢沢永吉が秋ツアーで"また"歴史を変える!「長者番付1位」と驚きの成り上がり秘話

  5. 5

    真夏の珍事? 共産党が“野党第1党”に大躍進したワケ…潜在読者掘り起こした電子版「赤旗日曜版」

  1. 6

    Snow Man目黒蓮と佐久間大介が学んだ城西国際大メディア学部 タレントもセカンドキャリアを考える時代に

  2. 7

    中京大中京から享栄へ、大藤監督が明かす“異例の転身”の真相

  3. 8

    巨人ドラ1候補に花巻東・古城大翔が急浮上! 父はG戦士「振り向けば古城」、岡本和真の後釜育成急務

  4. 9

    9月党人事を前に深まる鈴木幹事長とのミゾ…支持率急落の高市政権「裏金軍団復権」の時限爆弾

  5. 10

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ