「シャブ屋の懺悔」木佐貫真照著
覚醒剤の中間卸として密売業界に関わっていた著者は、7度目の逮捕で大阪拘置所にいたとき、同じく勾留されていた松尾勝二と親しくなる。
松尾の罪は殺人。聞けば妻とその愛人を手にかけたが、それは覚醒剤がもたらした悲劇であった。
松尾は夫婦でスポーツ用品店を営んでいたが、いつしか妻の由加と常連客の小田が浮気をしている噂が流れるようになった。2人はただの噂だと否定したのだが、ある日、松尾が小田のマンションを訪ねるとそこに妻がいたのだ。2人は松尾に刺され死亡。司法解剖の結果、2人の体内から覚醒剤の陽性反応が出た。小田は覚醒剤の小売人で、由加は“キメセク”の深みにはまっていたのだった。
その他、覚醒剤密売から更生した人、依存症から立ち直った人など著者が実際に見聞きした7つの話を収録。
(KADOKAWA 1600円+税)