「医学部」鳥集徹著

公開日: 更新日:

 近年、医学部の受験偏差値が高騰、国公立大医学部の多くは東大並みだ。一方で、東大医学部生の3人に1人は医師に向いていないという指摘もある。名門大の医学生によるレイプ事件や覚醒剤事件なども起き、モラルの低下が問題視されている。本書は、変容する医学部の内実に迫るリポート。

 著者は、医学部は医師という「職業人」を育てる「職業訓練校」であり、偏差値トップである必要はないと指摘。医学部ばかりに優秀な人材が集中することは日本の未来にとってもよくないからだ。各大学に教授を送り込んできた東大医学部の凋落や、臨床現場における医局制度や学閥の崩壊などを伝える一方で、将来の医師余り時代の到来を予測する。

 医学部志望の受験生と親必読の書。

(文藝春秋 830円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした