「医学部」鳥集徹著

公開日: 更新日:

 近年、医学部の受験偏差値が高騰、国公立大医学部の多くは東大並みだ。一方で、東大医学部生の3人に1人は医師に向いていないという指摘もある。名門大の医学生によるレイプ事件や覚醒剤事件なども起き、モラルの低下が問題視されている。本書は、変容する医学部の内実に迫るリポート。

 著者は、医学部は医師という「職業人」を育てる「職業訓練校」であり、偏差値トップである必要はないと指摘。医学部ばかりに優秀な人材が集中することは日本の未来にとってもよくないからだ。各大学に教授を送り込んできた東大医学部の凋落や、臨床現場における医局制度や学閥の崩壊などを伝える一方で、将来の医師余り時代の到来を予測する。

 医学部志望の受験生と親必読の書。

(文藝春秋 830円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因