「医学部」鳥集徹著

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 近年、医学部の受験偏差値が高騰、国公立大医学部の多くは東大並みだ。一方で、東大医学部生の3人に1人は医師に向いていないという指摘もある。名門大の医学生によるレイプ事件や覚醒剤事件なども起き、モラルの低下が問題視されている。本書は、変容する医学部の内実に迫るリポート。

 著者は、医学部は医師という「職業人」を育てる「職業訓練校」であり、偏差値トップである必要はないと指摘。医学部ばかりに優秀な人材が集中することは日本の未来にとってもよくないからだ。各大学に教授を送り込んできた東大医学部の凋落や、臨床現場における医局制度や学閥の崩壊などを伝える一方で、将来の医師余り時代の到来を予測する。

 医学部志望の受験生と親必読の書。

(文藝春秋 830円+税)

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