「老いと孤独の作法」山折哲雄著

公開日: 更新日:

 現代の日本人は「一人で生きる、一人で立つ、一人で暮らす」ことを否定的にとらえるばかりで、その本質的価値を忘れ去ろうとしていると宗教学者の著者は指摘する。人口減少、高齢社会を迎える今こそ、人間の基本的な教養としての「一人」の意味と価値を考えるべきだと説く氏が、長い第二の人生をいかに生き、いかに死んでいくかを考察したエッセー集。

 鴨長明の「方丈記」の世界観や、西行ら隠遁者のライフスタイルを紹介し、彼らの生き方が日本の歴史全体を貫く「一人で生きること」の大切さを浮かび上がらせていると説く。(「一人で生きることの意味と価値」)

 その他、天皇の生前退位などにも触れ、老いと孤独を楽しむ日本の豊かな教養の伝統に再び光を当てる。

(中央公論新社 860円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ベネズエラ戦惨敗は井端監督の「自業自得」…リリーフ崩壊は昨年末から始まっていた

  2. 2

    大谷も「勝てる要素のある試合」と悔いた 侍J最悪のWBC8強止まり…井端監督チグハグ采配の痛恨

  3. 3

    小栗旬がハリウッド“資本”映画で主演も… トラウマ級の英語力と「スター」への高い壁

  4. 4

    侍J選手を“殺した”井端監督の偏重起用、場当たり、塩漬け…こうして結束力に亀裂が生じた

  5. 5

    国立大学なら入学辞退率がゼロに近いはずだけど実態は? 有名私立と天秤にかけられる意外な大学

  1. 6

    「国宝」日本アカデミー賞10冠の陰で…森七菜“最優秀助演女優賞”逃した不運と無念

  2. 7

    侍Jを苦しめるNPB「選手ファースト」の嘘っぱち トレーナーの劣悪待遇に俳優・渡辺謙もビックリ?

  3. 8

    広瀬すず 映画賞受賞ラッシュでも残された大仕事「大河ドラマ出演」への“唯一のネック”

  4. 9

    「ガキ使」の没個性化が進む? 松本人志の“週替わりCM”で「本編」が希薄化の危機

  5. 10

    黄川田こども担当相の“ポンコツ答弁”が炸裂! 立憲・蓮舫氏との質疑で審議が3回も中断する醜悪