「老いと孤独の作法」山折哲雄著

公開日: 更新日:

 現代の日本人は「一人で生きる、一人で立つ、一人で暮らす」ことを否定的にとらえるばかりで、その本質的価値を忘れ去ろうとしていると宗教学者の著者は指摘する。人口減少、高齢社会を迎える今こそ、人間の基本的な教養としての「一人」の意味と価値を考えるべきだと説く氏が、長い第二の人生をいかに生き、いかに死んでいくかを考察したエッセー集。

 鴨長明の「方丈記」の世界観や、西行ら隠遁者のライフスタイルを紹介し、彼らの生き方が日本の歴史全体を貫く「一人で生きること」の大切さを浮かび上がらせていると説く。(「一人で生きることの意味と価値」)

 その他、天皇の生前退位などにも触れ、老いと孤独を楽しむ日本の豊かな教養の伝統に再び光を当てる。

(中央公論新社 860円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    活動終了「嵐」メンバー「消える人」と「生き残る人」…“一番先行きが厳しい”のは?

  2. 2

    Netflixで話題「古畑任三郎」 伝説の神回《動機の鑑定》に描かれる古美術界のリアリティーに迫る

  3. 3

    松尾雄治さん(1)ゴルフ場で意識を失う…「気が付いたら病院のベッドでした」

  4. 4

    メジャー屈指の不人気球団が佐々木麟太郎を指名…“銭ゲバ”マーリンズの黒歴史

  5. 5

    ビートルズよりもストーンズよりもすごいバンド、ラトルズ!

  1. 6

    女性を巡る愛憎より友情が勝った永遠のバディー

  2. 7

    “スジ悪”すぎる副首都法案のボロが露呈…国会審議で維新の「大阪ありき」に集中砲火

  3. 8

    48年ぶり映画出演の由美かおるさんが語る 人生が変わった瞬間「11PM」「水戸黄門」エピソード

  4. 9

    はつらつプレーで4人に音楽の喜びを取り戻させた陰のMVP

  5. 10

    木原稔官房長官「国会会期延長必要ない」が波紋呼び修正…失言連発で“調整役”として機能せず