「本と暮らせば」出久根達郎著

公開日: 更新日:

 半世紀以上にわたって古書店を営んできた直木賞作家の著者がつづるエッセー集。

 新規の本に目を通すのがおっくうに感じるとき、著者は「勝手知ったる」本を手に取り拾い読みをするうちにエンジンが温まり、はずみがついたところで読みたいと思っていた新しい本に乗り換えるという。そんな勝手知ったる本の一冊、沢村貞子著「私の浅草」は、さながら上質の人情世話物語であると、心に響いたエピソードを紹介する。

 また「駅前の宿」と題した一文では、北海道から上京した折に途中下車した町で読書家の旅館の女主人との出会いを描いた中谷宇吉郎の戦前のエッセー「I駅の一夜」を取り上げるなど、本と作家にまつわる珠玉のエッセーが未知なる本への読書欲を刺激する。

(草思社 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網