「樹木たちの知られざる生活」ペーター・ヴォールレーベン著 長谷川圭訳

公開日: 更新日:

 ドイツで長年、森林の管理と保護に携わってきた著者が、樹木の知られざる生態と森の素晴らしさについてつづったエッセー集。

 ある日、氏はブナの木が集まる場所で苔むした岩を見つける。よく見ると、それは400~500年前に切り倒された木の切り株だった。周囲にも同じような切り株があり、それらは腐らずに生きていた。おそらく、近くの樹木から根を通じて手助けを得ていたのだという。樹木は根と根が直接つながったり、根の先を包んだ菌糸が栄養の交換を手伝ったりすることがあるからだ。

 樹木の「友情」を語るそんな一文をはじめ、芳香物質を使って行う樹木間のコミュニケーションなど、樹木の驚異の能力と社会性を伝える世界的ベストセラー。

(早川書房 700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    もしやり直せるなら、入学しない…暴力に翻弄されたPL学園野球部の事実上の廃部状態に思うこと

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  4. 4

    巨人阿部監督が見切り発車で田中将大に「ローテ当確」出した本当の理由とは???

  5. 5

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  1. 6

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  2. 7

    JLPGA専務理事内定が人知れず“降格”に急転!背景に“不適切発言”疑惑と見え隠れする隠蔽体質

  3. 8

    「俳優座」の精神を反故にした無茶苦茶な日本の文化行政

  4. 9

    (72)寅さんをやり込めた、とっておきの「博さん語録」

  5. 10

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動