「テレビ的教養」佐藤卓己著

公開日: 更新日:

 テレビの歴史を、教育・教養の視点から振り返った論考。

 そもそも放送局の免許条件として、一般局は「教育」10%以上、「教養」20%以上で常時編成することが明示されているという。放送教育のはじまりは、1933年に大阪で始まった学校向けラジオ放送にさかのぼる。国民意識の一元化という壮大な試みを担った戦時下の放送教育の構想は、戦後の民主教育においても引き継がれたという。

 ラジオ放送時代から放送教育に携わり、戦後の教育テレビ局設立や放送大学開設に尽力した西本三十二氏の功績をはじめ、1960年代以降の放送教育運動の軌跡、そしてテレビが情報弱者のメディアとなった現代まで俯瞰しながら、日本人にとってテレビとは何だったのかを考察する。 (岩波書店 1540円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  2. 2

    クマが各地で大暴れ、旅ロケ番組がてんてこ舞い…「ポツンと一軒家」も現場はピリピリ

  3. 3

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  4. 4

    安倍元首相銃撃裁判 審理前から山上徹也被告の判決日が決まっている理由

  5. 5

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  1. 6

    マツコ・デラックスがSMAP木村拓哉と顔を合わせた千葉県立犢橋高校とは? かつて牧場だった場所に…

  2. 7

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  3. 8

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  4. 9

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」