「あなたのためなら」田牧大和著

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 上菓子司「藍千堂」の主、晴太郎は、晴れの日に少しの贅沢(ぜいたく)として食べられるような菓子を売りたいと思っていた。

 晴太郎は武士の妻だった佐菜をめとり、連れ子のさち、弟の幸次郎と、菓子職人の茂市と5人で暮らすようになる。

 菓子をつくるたびにさちに食べさせようとするのだが、佐菜は小さな子供には贅沢だと反対する。幸次郎が、さちは藍千堂の総領娘だから、上等な菓子の味を知らなくては困ると言うと、ようやく、たまにならいいということに。

 晴太郎はさちが「お父っつあん」と呼んでくれないことを気にしているが、それにはさちなりの事情があるらしい。(「遣らずの雨)」

 江戸の菓子司を舞台に繰り広げられる人情噺(ばなし)5編。

(文藝春秋 1680円+税)

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