「永久のゼッケン」倉阪鬼一郎著

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 稲垣真鈴の父・滋は、多摩川ウルトラマラソンの100キロの部に毎年出走していた。10回目の完走者には多摩川ブルーの永久ゼッケンが贈られる。滋は8回目に出走したがその後、病気が見つかる。9回目は何とかゴールにたどり着いたが、10回目は出走できなかった。入院中に散歩した時、滋は多摩川の川面を見ながら「あの水になって、戻ってくる」と言い、半年後に逝った。

 次のマラソンで、真鈴と母・かおりは2人で50キロに出走し、父の残りの1回分を2人で走ることにした。

 一方、世界選手権にも出場したのに骨折で挫折した千々和純一は、このマラソンに再起をかけていた。

 さまざまなランナーのマラソンに込めた思いを描く。

(出版芸術社 1400円+税)



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