「永久のゼッケン」倉阪鬼一郎著

公開日: 更新日:

 稲垣真鈴の父・滋は、多摩川ウルトラマラソンの100キロの部に毎年出走していた。10回目の完走者には多摩川ブルーの永久ゼッケンが贈られる。滋は8回目に出走したがその後、病気が見つかる。9回目は何とかゴールにたどり着いたが、10回目は出走できなかった。入院中に散歩した時、滋は多摩川の川面を見ながら「あの水になって、戻ってくる」と言い、半年後に逝った。

 次のマラソンで、真鈴と母・かおりは2人で50キロに出走し、父の残りの1回分を2人で走ることにした。

 一方、世界選手権にも出場したのに骨折で挫折した千々和純一は、このマラソンに再起をかけていた。

 さまざまなランナーのマラソンに込めた思いを描く。

(出版芸術社 1400円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 4

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  5. 5

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  1. 6

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  2. 7

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール

  3. 8

    織田裕二「踊る大捜査線」復活までのドタバタ劇…ようやく製作発表も、公開が2年後になったワケ

  4. 9

    「嵐」が2019年以来の大トリか…放送開始100年「NHK紅白歌合戦」めぐる“ライバルグループ”の名前

  5. 10

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞