「怖い短歌」倉阪鬼一郎著

公開日: 更新日:

「恐ろしい風景」をはじめ、「死の影」や「負の情念」などをテーマにした「怖い短歌」を集め、解説する異色アンソロジー。

 国民歌人として親しまれる石川啄木だが、負の感情を露骨に表現した作品も詠んでいる。そのひとつが「どんよりと くもれる空を見てゐしに 人を殺したくなりにけるかな」。

 啄木のそうした面を継承した夢野久作は、「腸詰めに長い髪毛が交つてゐた ジツト考へて 喰つてしまった」など、多くの「猟奇歌」を詠んでいる。長い髪から腸詰めの材料が人肉であることを認識したが、それにもかかわらず“確信犯的欲求”に基づいてそれを食う行為。さらに「ジツト考えて」という間がなおさら気色の悪さを際立たせると著者は言う。

 570首もの短歌で、人間に巣くう闇を見つめる。 (幻冬舎 780円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    軽率さ変わらぬ石田純一 東尾理子に見放され離婚へ一直線

  2. 2

    上沼恵美子「降板の全真相」現場は“辞めたる”を待っていた

  3. 3

    引退も覚悟? 小倉優香ラジオ降板テロの裏に年収1億円彼氏

  4. 4

    阿炎“キャバクラ引退届”の謎 錣山親方の暴走に協会も困惑

  5. 5

    安倍首相“吐血情報”で広がる健康不安説…国会拒否の理由か

  6. 6

    三浦春馬さんに金銭を無心か…「母親の過去」と死の動機

  7. 7

    カジサックの悪評止まず…ギャラ低すぎて宮迫陣営へ流出?

  8. 8

    夫の定年後に妻の外出が増加 交際費と被服費が家計を圧迫

  9. 9

    劇的復活Vも問題はここから…照ノ富士「大関復帰」の条件

  10. 10

    阿炎キャバクラ通いバレ引退届 協会激怒も不受理の可能性

もっと見る