「怖い短歌」倉阪鬼一郎著

公開日: 更新日:

「恐ろしい風景」をはじめ、「死の影」や「負の情念」などをテーマにした「怖い短歌」を集め、解説する異色アンソロジー。

 国民歌人として親しまれる石川啄木だが、負の感情を露骨に表現した作品も詠んでいる。そのひとつが「どんよりと くもれる空を見てゐしに 人を殺したくなりにけるかな」。

 啄木のそうした面を継承した夢野久作は、「腸詰めに長い髪毛が交つてゐた ジツト考へて 喰つてしまった」など、多くの「猟奇歌」を詠んでいる。長い髪から腸詰めの材料が人肉であることを認識したが、それにもかかわらず“確信犯的欲求”に基づいてそれを食う行為。さらに「ジツト考えて」という間がなおさら気色の悪さを際立たせると著者は言う。

 570首もの短歌で、人間に巣くう闇を見つめる。 (幻冬舎 780円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    任侠山口組が組長制に 40数名が織田代表と親子盃、舎弟盃

  2. 2

    お笑い文化台無し!安倍首相の吉本新喜劇出演に府民大激怒

  3. 3

    統一地方選で2ケタ議席「N国党」と「幸福党」大躍進のナゼ

  4. 4

    役者はセリフが命…山P「インハンド」にブーイングのワケ

  5. 5

    博多大吉とデート報道 赤江珠緒が気を揉む"あの男"の存在

  6. 6

    木浪と近本は数試合で…矢野阪神「4番・大山」の賞味期限

  7. 7

    就職戦線“買い手市場”に激変 新卒採用は氷河期に向かう

  8. 8

    あるのか阪神? 貧打と補強下手の“4度目赤っ恥”緊急補強

  9. 9

    衆院2補選惨敗で自民真っ青…夏の“衆参W選”へ一気に現実味

  10. 10

    大谷はFA権取得前に放出か トラウト472億円契約延長の波紋

もっと見る