「入門!自宅で大往生」中村伸一著

公開日: 更新日:

 超高齢化社会に突入した日本では「逝き場所」としての病院や施設が絶対的に不足。本書は、福井県のへき地、旧名田庄村で「家逝き・看取り」を実現してきた医師が、同地域に受け継がれる「逝きの文化」ともいうべき知恵と経験を紹介する家逝き・看取りの入門書。

 自分の生死の可否を超越した92歳のばあさまのエピソードなどを紹介しながら穏やかな逝き方に不可欠なのは「覚悟を決める」ことだと説く。しかし、一方で本人も看取る家族も「いまわの際であがいたって」それは想定内と受け入れ、壮絶に死と戦うための励ましよりも和やかな往生に有効なのは肩の力を抜くユーモアだと語る。そうした心構えから、おひとりさまでも可能な具体的な家逝きの極意などを解説。

(中央公論新社 860円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」