「ひりつく夜の音」小野寺史宜著

公開日: 更新日:

 クラリネット奏者の下田は、所属していたバンドの解散後、音楽教室の講師をしながら、ほそぼそと暮らしていた。46歳の今、かつてのような音楽への情熱を見失い、自分でもこの先の見通しが立たない。

 そんなある夜、警察から電話を受けた下田は、駅で喧嘩した音矢の身元引受人を依頼され、迎えに行く。初めて会う音矢は、二十数年前に別れた恋人の留美の息子だった。聞くと、12年前に亡くなった留美から、どうしても困ったことがあったら頼るよう下田の名前を教えられていたという。下田は留美が亡くなったことも知らなかった。下田は、再びトラブルを起こした音矢を自宅に連れて帰る。音矢はギタリストだった。

 人生に行き詰まっていた中年ミュージシャンを主人公に描くジャズ小説。

 (新潮社 550円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    JリーグMVP武藤嘉紀が浦和へ電撃移籍か…神戸退団を後押しする“2つの不満”と大きな野望

  2. 2

    広島ドラ2九里亜蓮 金髪「特攻隊長」を更生させた祖母の愛

  3. 3

    悠仁さまのお立場を危うくしかねない“筑波のプーチン”の存在…14年間も国立大トップに君臨

  4. 4

    田中将大ほぼ“セルフ戦力外”で独立リーグが虎視眈々!素行不良選手を受け入れる懐、NPB復帰の環境も万全

  5. 5

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  1. 6

    FW大迫勇也を代表招集しないのか? 神戸J連覇に貢献も森保監督との間に漂う“微妙な空気”

  2. 7

    結局「光る君へ」の“勝利”で終わった? 新たな大河ファンを獲得した吉高由里子の評価はうなぎ上り

  3. 8

    飯島愛さん謎の孤独死から15年…関係者が明かした体調不良と、“暗躍した男性”の存在

  4. 9

    巨人がもしFA3連敗ならクビが飛ぶのは誰? 赤っ恥かかされた山口オーナーと阿部監督の怒りの矛先

  5. 10

    中日FA福谷浩司に“滑り止め特需”!ヤクルトはソフトB石川にフラれ即乗り換え、巨人とロッテも続くか