「偶然屋」七尾与史著

公開日: 更新日:

 司法試験に挫折、就職活動も難航中の里美は、電柱に貼られた求人広告に応募。面接に指定された場所は錦糸町のパチンコ屋だった。

 しかし、面接官は現れない。手持ち無沙汰で打った台が大当たりして、気を取り直して店を出た里美は、女店員に声を掛けられる。彼女は里美の頭のひまわりのバンドを見て人違いをしたという。

 バンドは応募した会社が目印にと送ってきたものだった。聞くと、彼女は隣人の騒音に悩まされているが、相手は引きこもりで管理会社に訴えてもラチが明かないという。引っ越しのあいさつのとき、里美と同じバンドをしていたので間違えたらしい。里美は彼女の部屋に向かい、一緒に解決策を練る。

 息もつかせぬ展開と巧妙な仕掛けで徹夜必至の長編ミステリー。 (小学館 710円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘