「惜櫟荘の四季」佐伯泰英著

公開日: 更新日:

 岩波書店創業者の岩波茂雄が建築家の吉田五十八に依頼して建てた熱海の別荘・惜櫟荘。著者はこの由緒ある建物を2008年に譲り受け、番人と名乗り住まいとする。「簡素にして清華」なこの現代数寄屋を後世へと残すべく、資金と歳月をかけて取り掛かった改修工事のあれこれ。他にも、東山旧岸邸など五十八の設計した建物巡りや、今は亡き愛犬ビダを飼うことになった経緯と「みかん」と名付けた新たな飼い犬について。

 詩人の田村隆一氏に聞いたコモリン岬から見る夕日を体験するために出掛けたインドなど世界各地への旅、そして代表作「居眠り磐音江戸双紙」シリーズ誕生のきっかけとなった編集者との思い出など。

 日常の点景をつづる、人気時代小説家による随想集。

(岩波書店 920円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  3. 3

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    やす子の毒舌芸またもや炎上のナゼ…「だからデビューできない」執拗な“イジり”に猪狩蒼弥のファン激怒

  1. 6

    羽鳥慎一アナが「好きな男性アナランキング2025」首位陥落で3位に…1強時代からピークアウトの業界評

  2. 7

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 8

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  4. 9

    渡部建「多目的トイレ不倫」謝罪会見から5年でも続く「許してもらえないキャラ」…脱皮のタイミングは佐々木希が握る

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」