「迷いながら生きていく」五木寛之著

公開日: 更新日:

 親が教師だった著者は、生後まもなく朝鮮半島に渡り、各地を転々とした後、引き揚げてきた。その後も、九州、東京、金沢、京都、横浜などに住んだため、場所に対する帰属意識がない。自分はホモ・モーベンス(動く人)であり、「デラシネ」だと思っている。デラシネとは「根無し草、故郷を持たない人」だが、「難民」とか「移民」のほうが合っていると思う。五木は21世紀は「デラシネの世紀」だと考える。シリアなどの難民だけでなく、東日本大震災や熊本地震の被災者も一時的なデラシネである。災害や戦乱は今後も起こり得るし、未来は不可測なのだ。

〈人生百年時代はデラシネの世紀〉

「人生百年時代」に贈る五木寛之のエッセー。

(PHP研究所 1350円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒