「考えるナメクジ」松尾亮太著

公開日: 更新日:

 ナメクジは呼吸孔と肛門が共用で、呼吸とウンチを同じ穴から出すが、ちゃんと脳を持っている。脳は頭部の触角の下にあり、その中心を食道が通過しているので、口から入った食べものが脳の中心を通過することになる。

 だが、ハエなどが記憶を形成するのに複数回学習することが必要なのに比べ、ナメクジは1回の学習だけで非常に長期の記憶を形成する、すごい「脳力」を持っている。

 例えば、「まずかったもののにおい」を最長で2カ月くらい記憶している。においの情報は触角から前脳葉に伝えられるが、ナメクジはおいしい食べ物に出合ったら、次からはそのにおいのする場所により速く近づくという学習能力を持つ。

 着任した研究室がナメクジの脳研究をしていたことからナメクジの脳のとりこになった研究者が書いたナメクジの本。

(さくら舎 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  3. 3

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  4. 4

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

  5. 5

    (1)長嶋茂雄氏の「逆転巨人入り」は、銚子の料亭旅館の仲居さんの一言から始まった

  1. 6

    我が専大松戸がセンバツ王者で無敗の横浜に大金星も、達成感、喜びをあまり感じない理由

  2. 7

    永野芽郁「キャスター」“静かにフェードアウト説”一蹴!主演映画も絶好調で“稼げる女優”の底力発揮

  3. 8

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  4. 9

    長嶋茂雄さんは当然のように電車改札を「顔パス」しようとして、駅員に捕まった

  5. 10

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」