「あなたの体は9割が細菌」アランナ・コリン著 矢野真千子訳

公開日: 更新日:

 私たちの体の細胞1個につき、そこに乗っかっているヒッチハイカーの細胞が9個もあるという。つまり体のうち、ヒトの部分は10%しかないそうだ。2003年に完了したヒトゲノム・プロジェクトで、ヒトの遺伝子は線虫と同じ2万1000個しかないことが判明。ヒトはなぜ、そんなに少ない遺伝子で複雑な生命活動ができるのか。

 実は体内にすむ膨大な微生物に活動の多くを「アウトソーシング」しているからだという。ヒトは微生物一式を母親から受け取り、共に成長する。

 しかし近年、ヒトと微生物の関係に変化が生じている。20世紀後半から先進国で急増する肥満や過敏性腸症候群、アレルギー、自己免疫疾患、そして、心の病と人体内に存在する微生物との関係を解き明かした、目からウロコ本。

(河出書房新社 1100円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー