「読書のちから」若松英輔著

公開日: 更新日:

 ある日、父が、この人の本を読んでみるとよいと言って、著者に井上洋治の「余白の旅 思索のあと」を手渡した。それは著者にとって人生を変える一冊だった。この本と出合ったことで、著者は「わたし」になるための道を歩き始めたと述懐する。

 井上はカトリックの司祭で、井上のいう「余白」は「神のはたらきの場」である。白い紙に墨で円を描くと、そこには「円」の図とともに「余白」も生まれる。私たちの深層意識は「余白」にも意味を感じている。本を読むときも、「行間を読む」というように、字義通りに理解する以上の意味を読み取る。(「余白の言葉」)

 他に、著者の「危機」を救った遠藤周作、須賀敦子らの言葉を紹介する。

(亜紀書房 1430円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  2. 2

    クビ寸前フィリーズ3A青柳晃洋に手を差し伸べそうな国内2球団…今季年俸1000万円と格安

  3. 3

    高畑充希は「早大演劇研究会に入るため」逆算して“関西屈指の女子校”四天王寺中学に合格

  4. 4

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ

  5. 5

    進次郎農相ランチ“モグモグ動画”連発、妻・滝川クリステルの無関心ぶりにSNSでは批判の嵐

  1. 6

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    ドジャース大谷「二刀流復活」どころか「投打共倒れ」の危険…投手復帰から2試合8打席連続無安打の不穏

  4. 9

    銘柄米が「スポット市場」で急落、進次郎農相はドヤ顔…それでも店頭価格が下がらないナゼ? 専門家が解説

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし