「私的読食録」堀江敏幸、角田光代著

公開日: 更新日:

 名作に登場する「食」を語るリレーエッセー。

 向田邦子が「父の詫び状」で「カレーライス」と「ライスカレー」の違いについて述べていることを取り上げた角田氏は、ぜいたくな料理もたくさん食べたであろうこの作家が、みりん干しやさつま揚げなどのごく普通の料理を徹底して書いたことに驚嘆。彼女が書いたからこそ、普通の日の普通のごはんは、ちょっとすてきなものになったと。

 一方の堀江氏は、ローレンス・ブロックの小説「殺し屋」に出てくる殺し屋ケラーが空腹を満たすためだけにとるピザやドーナツなどのありふれた食事シーンに、食べるという行為の残酷さと悲しさを見る。

 ほか、開高健の「最後の晩餐」や内田百閒「御馳走帖」など100作品。「読むことでしか食べられない」至高の食体験。

(新潮社 630円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網