「妻の罪状」新津きよみ著

公開日: 更新日:

 自宅で介護していた義母のヨネと夫の牧男を殺害した春子は、国選弁護人の奥寺に心の内を明かす。

 10年前、ヨネが脳梗塞で倒れ、春子はパートを辞めて姑の介護に専念。夫の妹や弟は介護を手伝うこともなく、春子への感謝の言葉もない。やがてヨネがレビー小体型認知症を発症し、定年退職した牧男も介護に加わる。しかし、牧男はボケたヨネの言葉に腹を立て手を上げてしまう。それ以来、また春子に介護を任せきり。

 そんな中、転んで骨折した牧男まで寝たきりになってしまったという。裁判員裁判で春子に異例の判決が下った後、奥寺は、抱いたわずかな疑念を確かめるために春子の唯一の話し相手だったという女性に会いにいく。

 相続や終活など、現代社会の問題を盛り込みながら描くミステリー集。

(実業之日本社 792円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒