「七月七日のペトリコール」持地佑季子著

公開日: 更新日:

 和泉は、親友だった柊の十三回忌に参列。小学生のとき、雨上がりの独特の匂いをペトリコールと呼ぶことを教えてくれたのが柊だった。以来、仲良くなり同じ高校に進学したが、17歳の夏、柊はバス事故で死んでしまった。

 法要後、柊の部屋に泊まった和泉は午前2時に呼び出し音で目を覚ます。押し入れの箱の中にしまわれた柊の遺品の携帯電話が鳴っていた。電話をかけてきたのは12年前の和泉自身だった。12年前の和泉は、応じた和泉の声を聞き、間違い電話と勘違いして切ってしまう。翌朝、和泉が目覚めると、前日に終わったはずの柊の十三回忌が行われる日の朝に戻っていた。親友の死に疑問を抱いた和泉は、12年前の自分と連絡を取り合うことに。

 現在と過去から柊の死の真相に迫るミステリー。

(集英社 748円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾