「原発再稼働」日野行介著

公開日: 更新日:

 民意を踏みにじって進められている原子力発電所再稼働の真相に迫るノンフィクション。

 大津波襲来の知見を持ちながら東京電力が福島第1原発の運転を継続していたことに対し、国は放置した理由を「規制権限がなかった」と法整備の不備にすり替えた。さらに再稼働が前提の原子力規制委員会が策定した新規制基準や自治体の避難計画策定の義務付けなど、国はこの11年、原発復活を正当化するためのアリバイを着々と構築してきた。新規制基準で新たに安全審査の対象となった火山灰対策をめぐり、規制委の幹部らが話し合った秘密会議の内容を明かしながら、フクシマ以降に生まれ変わったはずの原発規制の実情をはじめ、国民をだましながら進む「国策」としての原発再稼働の実態を告発する。

(集英社 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  3. 3

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  4. 4

    清原果耶「初恋DOGs」にファン失望気味も…《低視聴率女王》待ったなしとは言い切れないウラ事情

  5. 5

    会議室で拍手が沸き起こったほどの良曲は売れなかった

  1. 6

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 7

    兵庫は参院選でまた大混乱! 泉房穂氏が強いられる“ステルス戦”の背景にN党・立花氏らによる執拗な嫌がらせ

  3. 8

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  4. 9

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  5. 10

    新横綱大の里が直面する「遠方への出稽古慣れ」…車での長距離移動は避けて通れない試練に