「ボーダー」佐々涼子著

公開日: 更新日:

 1995年、新米弁護士の児玉晃一は友人に頼まれてイランから来たナディア一家のアパートを訪れた。ナディアの父は専門学校の教頭、母は高校の校長で、弟のアブドゥルとの4人家族だ。

 イランのアメリカ大使館人質事件の後、小学校の教師たちがアメリカの国旗を燃やして、「ホメイニ万歳、アメリカに死を」と子どもたちに復唱させようとした。ナディアがそれを拒否すると、反政府思想の持ち主だと言われ、危険を感じてイランから逃げ出してきたのだ。一家は日本に入国して東京都北区にある「十条の入管」に男女別に収容されたが、弟はほかの収容者にセクハラを受けた。

 非人間的な日本の難民対策の実態をリポート。

(集英社 1980円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  2. 2

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  3. 3

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    豊作だった秋ドラマ!「続編」を期待したい6作 「ザ・トラベルナース」はドクターXに続く看板になる

  3. 8

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  4. 9

    悠仁さまは東大農学部第1次選考合格者の中にいるのか? 筑波大を受験した様子は確認されず…

  5. 10

    中山美穂さんが「愛し愛された」理由…和田アキ子、田原俊彦、芸能リポーターら数々証言