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柚月裕子

1968年、岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、2016年に「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞受賞。著書に「慈雨」「盤上の向日葵」など多数。

第二話 立場的にあり得ない(22)桂木の瞳に動揺の色

公開日: 更新日:
イラスト・大野博美

 桂木は一瞬、どうしてそんなことを訊くのか、というような顔をしたが、素直に答えた。

「豊岡陸だよ」

 貴山の目が鋭くなる。それは、涼子にしかわからないほど、わずかなものだったが、たしかに貴山の目つきがかわった。この目で見たことはないが、獲物を見つけた獣はこんな目をする… 

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