「与太郎侍」井川香四郎著

公開日: 更新日:

 箱根山の山中で育った恵太郎は、祖父の死を機に山を下りる。道中、待ち構えていた荻野山中藩が放った刺客らに囲まれる。刺客の頭目によると、恵太郎の父に藩主を殺されたので、その敵討ちだという。だが、恵太郎は父は病死したと聞いて育った。

 恵太郎を尾行していた刺客の仲間お蝶は、困っている人を見かけると着物も金もすべて差し出すお人よしの恵太郎を簡単に殺してしまうことに疑問を抱く。

 そうこうしている間に、当の恵太郎は、包囲を飛び越え一目散に走りだす。そこで別の刺客らに囲まれている子連れの夫婦を助け出すためだ。命を狙われた夫は、実は小田原藩を内偵する公儀隠密だった。

 お人よしだが、剣はめっぽう強い「与太郎侍」の活躍を描く時代エンターテインメント。

(集英社 770円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  3. 3

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  4. 4

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  5. 5

    Kōki,主演「女神降臨」大爆死で木村拓哉がついに"登場"も リベンジ作品候補は「教場」か「マスカレード」シリーズか

  1. 6

    森友文書の一部欠落で財務省が回答…公表された概要リストに「安倍昭恵」の名前

  2. 7

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 8

    早実初等部を凌駕する慶応幼稚舎の人脈網…パワーカップルを惹きつけるもう一つの理由

  4. 9

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  5. 10

    迷走続く「マレリ・ホールディングス」再建…金融界の最大の懸念は日産との共倒れ