「てらこや青義堂 師匠、走る」今村翔吾著

公開日: 更新日:

 明和7(1770)年、小旗本の次男・十蔵が日本橋松川町に寺子屋「青義堂」を開いて5年が経った。「いかなる子であろうとも見捨てはしない」との信条を貫く十蔵の元に通うのは、よその寺子屋で断られたいわくつきの子どもばかり。競争が激しい寺子屋の経営は厳しく、十蔵は金のために往来物と呼ばれる教本の執筆を思いつく。選んだ題材は忍術だ。

 実は十蔵の実家の坂入家は伊賀組の与力で、裏で公儀隠密を務めている。十蔵は伊賀組始まって以来の鬼才と呼ばれた忍びだったが、今は足を洗っている。そんな中、教え子らの付き添いで伊勢に向かう十蔵に兄から将軍暗殺を企てる一団・宵闇に関するよからぬ知らせが届く。

 人気作家の原点ともいえる青春時代小説。 (小学館 902円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「時代に挑んだ男」加納典明(43)500人斬り伝説「いざ…という時に相手マネジャー乱入、窓から飛び降り逃走した」

  2. 2

    「時代に挑んだ男」加納典明(44)玄関で“即挿れ”&即帰、次へハシゴ…「湧き出る欲望に正直なんだ」

  3. 3

    U18高校代表19人の全進路が判明!プロ志望は7人、投手3人は中大に内定、横浜高の4人は?

  4. 4

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  5. 5

    広瀬アリス&赤西仁の交際報道に《裏切られた》…女性ファンが“オタクアピール”に強い拒否反応

  1. 6

    巨人に漂う不穏な空気…杉内投手チーフコーチの「苦言連発」「選手吊るし上げ」が波紋広げる

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    黒木メイサの新恋人報道でジャニーズJr.ファン大パニック…発端は週刊文春公式Xの「大物ジュニア」だった

  4. 9

    次期巨人監督へ桑田二軍監督が腕まくり! 松井秀喜氏への“つなぎ登板”は球団の思惑とも合致

  5. 10

    沖縄尚学・末吉良丞の「直メジャー」実現へ米スカウトが虎視眈々…U18W杯きょう開幕