「没落官僚」中野雅至著

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「没落官僚」中野雅至著

 霞が関の中央官庁は、ブラック職場と知れ渡り、かつてエリートの代表だったキャリア官僚の志願者は激減。若手官僚の離職率も高止まりしたままだ。悲惨な状況に陥っているにもかかわらず抜本的な対策が講じられず、現職官僚のモチベーションは低下する一方。仕事は激増するが部下は増えず酷使されるだけの存在になり果てている。

 さらに、労働条件が過酷でその優秀な頭脳は生かされておらず、官邸主導の弊害もあらわになっている。こうした中、官僚はやる気のないロボット官僚と、政治家志望で権力志向の官邸官僚に二極化されつつあるという。

 なぜ、我が国の官僚制度は機能不全寸前にまで崩壊してしまったのか。90年代半ばに始まった行政改革にまでさかのぼり、その背景を分析する。 (中央公論新社 990円)

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