「没落官僚」中野雅至著

公開日: 更新日:

「没落官僚」中野雅至著

 霞が関の中央官庁は、ブラック職場と知れ渡り、かつてエリートの代表だったキャリア官僚の志願者は激減。若手官僚の離職率も高止まりしたままだ。悲惨な状況に陥っているにもかかわらず抜本的な対策が講じられず、現職官僚のモチベーションは低下する一方。仕事は激増するが部下は増えず酷使されるだけの存在になり果てている。

 さらに、労働条件が過酷でその優秀な頭脳は生かされておらず、官邸主導の弊害もあらわになっている。こうした中、官僚はやる気のないロボット官僚と、政治家志望で権力志向の官邸官僚に二極化されつつあるという。

 なぜ、我が国の官僚制度は機能不全寸前にまで崩壊してしまったのか。90年代半ばに始まった行政改革にまでさかのぼり、その背景を分析する。 (中央公論新社 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」